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確率的には「115円に慎重になった」との印象

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 今週はFOMC、米雇用統計といった最重要イベントを通過した。ドル円は113円台前半まで下落し、上値の重さも感じされた。日足チャートを見ると、高値圏でのレンジ取引は続いており、また、115円の可能性は残している。そのためには113円台維持が必須といったところだが、来週以降の動きが警戒される。


 そのFOMCだが、概ね想定通りとなった。資産購入ペース縮小開始を発表し、今月から月額150億ドルつづ、資産購入を段階的に縮小して行くと発表した。ペースを変えなければ、来年半ばには資産購入は終了ということになる。パウエル議長がFOMC後の会見や講演などで示唆して来た通りとなっている。


 市場はむしろ、利上げに関するヒントを期待していたが、「利上げに適した時期とは考えていない。忍耐強くいられる」と述べるのみに留まっている。前回も述べたが、利上げについては、12月FOMCで議論されるものと思われる。12月はFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)も公表されることから、そちらのほうがスムーズだ。市場の予想だと、来年の利上げはなく、2023年の利上げ開始を見込んでいる向きが若干多いようだ。しかし、来年の利上げ開始予想も少なくない。また、インフレについては、供給問題による「一過性のもの」との認識を示している。ただ、従来よりは想定以上に長引くリスクにも言及していた。


 イベントを通過後の特徴的な動きとしては、欧米の国債利回りの急低下が挙げられる。米国債利回りも急低下し、10年債は節目の1.5%を下回った。先週はECB理事会、今週はFOMC、英中銀金融政策委員会(MPC)があったが、各中銀は市場が織り込んでいる利上げ期待のけん制を強めていた印象も強い。そのような中、一連の中央銀行のイベントを通過して、市場も利上げ期待に対する見方を修正していたようだ。


 FOMCを無事通過したが、FRBにはまだ、今月の注目イベントがある。パウエルFRB議長が続投するかどうかだ。ホワイトハウスは近日中に候補者を指名する意向が伝わっており、今週、バイデン大統領はパウエル議長とブレイナードFRB理事と面会したとの報道が流れていた。民主党の重鎮の一部からは、パウエル議長の続投に反対の声も出ているようだが、市場は続投の可能性のほうが高いと見ている模様。


 さて、下記の確率を見ると、週末の動きで下値期待が急上昇した。115円と112円に着目してみると、11月末までに115円に到達する確率は前週の62.0%から34.6%に急低下した。一方、112円は33.6%から40.1%に上昇した。


 確率的にはイベントを通過して「115円に慎重になった」といった印象だ。


◆来週以降11月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率

()は先週末

117円: 3.5%(15.6%)

116円:12.7%(33.7%)

115円:34.6%(62.0%)

113.41円(週末終値)

112円:40.1%(36.6%)

111円:14.9%(16.8%)

110円: 4.0%( 6.3%)


◆来週以降12月31日までに各ポイントを1度でも付ける確率

()は先週末

117円:17.8%(31.6%)

116円:32.7%(49.6%)

115円:54.4%(72.4%)

113.41円(週末終値)

112円:60.6%(53.9%)

111円:37.4%(34.8%)

110円:20.5%(20.4%)


※ドル円のオプション取引から算出


【各通貨ペアのトレンド】

()は前週

◆ドル円(USD/JPY) 

中期 上げトレンド継続

短期 ↑(↑↑↑)


◆ユーロ円(EUR/JPY)

中期 上げトレンド継続

短期 ↑(↑↑)


◆ポンド円(GBP/JPY)

中期 上げトレンド継続

短期 ↑(↑↑↑)


◆豪ドル円(AUD/JPY)

中期 上げトレンド継続

短期 ↑(↑↑↑)


◆ユーロドル(EUR/USD)

中期 下から中立へトレンド変化

短期 →(↑)


◆ポンドドル(GBP/USD)

中期 上から中立へトレンド変化

短期 →(↑↑↑)



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