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確率は下値期待が上昇 下値をどんどん攻める状況にはないが、短期的には上値重い展開も

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 今週はドル売りが優勢となり、ドル円は週に渡って上値の重い展開が続いた。週初はFOMCをにらんだ動きからの下げだったのかもしれない。そのFOMCは声明こそタカ派な内容が盛り込まれていたが、その後のパウエル議長の会見は慎重姿勢を滲ませていた。


 議長は「労働市場は完全回復に程遠い」とし、デルタ株の感染再拡大の影響も見極めたい意向を示唆していた。議長は資産購入ペース縮小のタイミング特定に役立つ情報もほとんど提供せず、逆にまだ決定がなされていないことを明確にし、資産購入ペース縮小の発表が差し迫っていないことを示唆していた。予想通りではあるが、バランスを取った会見ではあった。


 米国もデルタ株の感染が再拡大の傾向を示している中で、従来ほどではないが、軽めの制限を導入する動きも一部で出ている。デルタ株の経済への影響が不透明であり且つ、米労働市場がパンデミック前の水準に遠く及ばない中で、FRBからすれば、タカ派色を一歩進めるという行動は取るべきリスクではないと判断したのであろう。なお、資産購入ペース縮小において、米国債よりも不動産担保証券(MBS)から手を付けるべきとの主張がさほど支持を得ていないことを明らかにしたのは個人的に若干の驚きではあった。


 市場も呼応するようにドル売りの反応を示しているが、かなりドルロングが積み上がっている現状もあり、本格的な夏休みシーズンを前にしたポジション調整には打ってつけの材料となったのかもしれない。


 タカ派な見方の中には、資産購入ペース縮小に関して、毎年8月に開催されるFRBのシンポジウムで、9月のFOMCで具体的な時期を示すことを示唆したうえで、その9月FOMCで、年内か来年初めの開始を打ち出すというシナリオを描いていた向きも少なくなかったものとみられる。しかし、今回のFOMCを通過して、その見方も後退し、資産購入ペース縮小の発表は12月との予想も強まりつつあるようだ。


 前週はどっちつかずだったが、今週の動きでドル円の確率は下値期待を上昇させている。112円と109円に着目すると、8月末までに112円に到達する確率は前週の44.1%から18.5%まで低下。一方、109円の確率は前週の42.2%から68.2%に上昇している。9月末まであれば78.0%まで上昇。


 ファンダメンタルズ的には、「下値をどんどん攻めて行く状況にはないものと思われるが、ポジション調整も含めて、短期的には上値の重い展開も想定」といった印象だ。


◆来週以降8月31日までに各ポイントを1度でも付ける確率

()は先週末

114円: 1.4%( 7.1%)

113円: 5.8%(19.7%)

112円:18.5%(44.1%)

109.72円(週末終値)

109円:68.2%(42.2%)

108円:32.2%(18.3%)

107円:11.4%( 6.1%)


◆来週以降9月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率

()は先週末

114円: 8.8%(19.5%)

113円:18.8%(35.4%)

112円:35.6%(57.9%)

119.72円(週末終値)

109円:78.0%(57.1%)

108円:49.9%(34.6%)

107円:28.1%(18.6%)


※ドル円のオプション取引から算出



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