為替相場まとめ5月24日から5月28日の週

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 24日からの週は、円安とドル高の動きが目立った。ドル円は109円台後半から110円台をつけた。これまで108円台後半から109円付近での上下動を繰り返していたが、水準を上方にシフトさせている。米インフラ整備を中心とした2022年予算案が好感されたほか、これまでネックとされていた米雇用関連指標が改善したことなどが米株や米債利回りを後押しした。市場では月末関連の円売り需要も指摘されていた。また、NZドルは中銀声明で、ポンドは英中銀委員の利上げ時期に関する発言などでそれぞれ上伸している。NZドル円やポンド円の上伸とともにドル円を押し上げた面もあったようだ。ユーロ円や豪ドル円も買われたが、ユーロドルや豪ドル/ドルは上値が重かった。ユーロにとってはECB当局者らからインフレ上昇が一時的との認識が繰り返されており、市場のECB緩和策の縮小観測を冷ましていた。豪ドルにとっては中国との摩擦が気がかり。週末にかけてはドル高の面も強まった。総じてリスク選好ムードが支配的だが、今週の円安とドル高が月末要因主導なのか、ファンダメンタルズ回復に根差したものなのか、来週の米雇用統計の結果内容とその市場反応が試金石となりそうだ。



(24日)

 東京市場は、ドルが上値重く推移。ドル円は先週末にNY市場での米指標の好結果や、早期テーパリング期待などからドル買いが強まり、109円ちょうどを付けていた。週明け朝方にも109円付近へ買われてのスタート。しかし、上値は抑えられており、午後には米10年債利回りが1.61%台に低下したことを受けて108.70台まで下押しされた。ユーロドルは1.2150-60がサポートされるなかで1.2180を挟んでの揉み合い。ユーロ円は132.70台まで買われたあとは、132.50台へと小反落。目立った材料に欠ける週明けとなった。


 ロンドン市場は、振幅。ドル円は序盤に東京午後からの売りの流れを受けて108.70近辺まで軟化。その後は反発、108.98レベルまで上昇した。暗号資産市場に買い戻しが入ったことでリスク警戒感が後退していた。ユーロドルは東京午後からのドル安の流れを受けて1.22台をつけたが、大台超えでは一気に売りが入り1.2175近辺まで下押しされた。ただ、米10年債利回りが低下するなかで、ドル売りが優勢となり、序盤の高値を超えて1.2220手前まで上昇した。ドル相場の方向性が錯そうする展開となった。


 NY市場では、再びドル売りが優勢となった。ドル円は108.70付近まで一時下落。下値では実需筋や個人投資家の買いが入りサポートされる一方で、109円台にも慎重だった。コモディティー市場や暗号資産市場での激しい値動きの割には為替市場は低ボラティリティーの展開が続いている。資金は米資産市場から世界の他地域の回復ストーリーを探してローテーションしていることが想定され、しばらくドルは上値の重い展開が続くとの見方も。ユーロドルは買い優勢となり、1.22台を回復。根強いドル売りが下値をサポートしているが、一方でECB当局からはPEPP縮小の議論は時期尚早との認識が示されており、6月理事会での刺激策縮小への市場の思惑はややや後退。ポンドドルは1.4160近辺へと上昇。ただ、全体的には様子見ムードが広がっている。イリー英中銀総裁など英中銀理事の英財務委員会での議会証言が行われていた。インフレ上昇については一時的との認識を維持しているものの、景気について英中銀は市場の予想よりも若干強気にみている印象も。


(25日)

 東京市場は、小動き。ドル円は先週末からは109円ちょうど近辺が重くなる一方で、108.70割れでは買いが入る展開が続いている。米10年債利回りは1.60%台に低迷しており、ドル円は若干頭を抑えられている。ユーロ円は前日に133円台に一時乗せた後、132円台後半での推移。132.90レベルを挟んでの小幅振幅。ユーロドルは米債利回りの低下傾向を受けて、やや底堅い動き。前日海外市場の高値を上回り1.2233レベルまで買われた。この後に発表される独Ifo景況感指数の好結果への期待も。


 ロンドン市場では、ドル売りが先行。序盤には中国人民元高の動きが強まった。オフショア人民元は対ドルでポイントとされた6.40台を割り込み、2018年以来のドル安・元高水準をつけた。ドル円も東京午後の108.70台での揉み合いから108.50台へと軟化。ユーロドルは1.2220付近から1.2250超えへと買われ、ドルが全面安となった。その後も米10年債利回りの低下を受けて、ユーロドルは堅調な流れ。一方、ドル円およびクロス円は上昇。独Ifo景況感指数の好結果を受けてリスク選好の動きが優勢になった。ユーロ円は133円台半ば超えまで買われた。ポンドドルは序盤にドル売りで1.4210近辺まで買われたが、その後は1.4150近辺まで反落。ポンド円は154.40まで上昇したあとは、154.10台へと反落。方向性に欠けた。


 NY市場で、ドル円は一時109円台回復も維持できず。5月に入ってからの米株式市場の調整もここにきて落ち着いて来ており、ドル円はリスク選好の買いが下値で出ている。一方でFRBの出口戦略への期待もやや後退しており、ドル売り圧力が上値を押さえている状況。この日は米債利回りが下げ幅を拡大し、ドル円は後半になって戻り売りに押された。米経済にとっては、インフレが上昇する一方で、雇用状況に不透明感が指摘されていた。ユーロドルは一時1.2265近辺まで上昇。ここ数日のレンジ上限を突破した。ただ、上値には慎重な声も。先日のラガルドECB総裁に続いて、この日はビルロワデガロー仏中銀総裁も、PEPP縮小には慎重な発言を行っていた。ポンドドルは一時1.41台前半まで下落。終盤には下げ渋った。英中銀も米FRBと同様にインフレ上昇は一時的とのスタンスをとっている。


(26日)

 東京市場では、NZドル買いが目立った。NZ中銀金融政策会合で、金利および量的緩和の現状維持が示されたが、声明で追加利下げに関する文言が削除され、今後の金利見通しで利上げが示唆されたことが買いを誘った。NZドルは対ドルで0.7220台から0.73台乗せへ、対円で78.60台から79円台半ば超えへと上伸。ユーロドルは前日からの堅調地合いを維持し、1.22台半ばで底堅い動き。米債利回りの低下とユーロ圏のワクチン接種の進展などが下支えに。ドル円は108.70台を中心とした揉み合い。朝からのレンジは12銭にとどまっている。


 ロンドン市場は、ドル買いの動きが優勢。ただ、値幅は限定されており、直近の値動きに対する調整の域を出ず。ドル指数は前日に1月7日以来のドル安水準となったが、きょうは小幅に反発。ドル円は108円台後半から109円近辺へとじり高の動き。ユーロドルは1.2260台から1.2230台へと軟化。一方、ポンドドルは序盤に売りが先行し1.4130台へと下落したが、その後は買い戻されて1.4170台と高値を更新。全般的にはドル買いの動きが優勢だが、ユーロ対ポンド相場ではユーロ売りのフローも入っていた。パネッタECB理事は、インフレが上向きにシフトしたというサインはみられていない、持続的なインフレが確認されたあとのみにPEPP購入ペース減速を、などど述べており、テーパリングの議論は時期尚早との姿勢を崩さなかった。


 NY市場では、ドル買いが継続。ドル円は109円を挟んで売買が交錯したあと、取引後半には109.10台へと上値を伸ばしている。下押しは浅く、109円台が定着するのかどうかが焦点に。米株式市場の調整が落ち着いてきていることがドル円を下支え。ドル相場にとっては、FRBの資産購入ペース縮小への期待と、緩和姿勢継続の見方が綱引きとなっている。8月のジャクソンホール会合が早くも話題になっていた。ユーロドルは1.21台へと伸び悩み。1.22台後半では売りがでていた。ドイツ国債利回りが上げ幅を縮小、ユーロの上値を圧迫した。ECBに対しても出口戦略の議論への期待があるが、当局者はこれをけん制しており、綱引きに。ポンドドルは1.41台前半へと下落。英国でのインド型変異株の拡大が懸念材料。一方で、ワクチンが有効との報道もあり、ポンドも売買が錯そうしていた。


(27日)

 東京市場は、小動き。ドル円は前日の海外市場で109円台にしっかりと乗せており、東京市場でも109円台前半で推移した。109.20台まで上昇する場面があったが、その後は調整揉み合い。109円台を維持して堅調地合いは継続している。NZドルは引き続き堅調。昨日のNZ中銀理事会清明で2022年9月までの利上げ見通しが示されたことがNZドル買いを誘った。対ドルで0.7290台へ、対円で79円台半ば超えとしっかりとした展開。豪ドルにも買いが波及した。


 ロンドン市場は、前日からのドル高圏での揉み合い。一段のドル高進行の動きは一服も、調整の動きは限定的。ドル円は109円台を維持して109.20近辺へと小高い。ユーロドル、ポンドドルなどは序盤に上値を試す動きがみられた。ユーロドルは1.2215近辺、ポンドドルは1.4140近辺まで上昇。ポンドドルは高止まりも、ユーロドルは1.2180近辺まで反落する場面があった。デコス・スペイン中銀総裁が、ユーロ圏のインフレ上昇は一時的なものだ、と述べたことが売りを誘った。このところ、ECB当局者から類似の発言が繰り返されている。ただ、下げも一時的で1.22台に戻している。ドル円が底堅いことを受けて、ユーロ円は133円台前半、ポンド円は154円台前半で買いが優勢になっている。全般に調整含みの展開で際立った方向性はみられず。米10年債利回りは1.58%台と小幅上昇。欧州株は高安まちまち。米株先物は小安く推移。


 NY市場では、ドル円が堅調。109.90近辺まで買われ、その後も高止まり。朝方発表の米新規失業保険申請件数が予想よりも少なかったことや、GDP改定値で個人消費が上方修正されたことなどでリスク選好の円安がドル円を押し上げている。ユーロ円やポンド円といったクロス円も買いが強まった。米国債利回りや米株も指標を受けて上昇しており、ドル売りも一服。本日のロンドンフィキシングに向けて、月末を意識した日本の投資家の買いも観測されているようだ。その動きにモデル系ファンドの円売りも活発に出たとの指摘も。海外勢の中からは、日本政府が緊急事態宣言を6月20日まで延長する意向を固めたことも円売りを誘っているとの指摘があった。イエレン米財務長官が下院で議会証言を行っていたが、インフレに関する発言で米国債利回りが上げ幅を拡大した。ユーロドルは1.22ちょうどを挟んだ上下動。ユーロ円とドル円の上昇で対ドルの値動きは相殺される格好。ポンドドルは1.42台まで上昇。英中銀のブリハ委員の発言をきっかけに買い戻しが強まった。同委員は22年の利上げの可能性に言及していた。


(28日)

 東京市場では、ドル高水準での揉み合いが続いた。ドル円は昨日の海外市場での円売り・ドル買いの動きを受けて110円手前へと買われている。東京午前には109.96レベルまで高値を伸ばした。ただ、110円台には乗せ切れず、売買が交錯している。日経平均、時間外取引の米株先物が供の堅調で、リスク選好の円売りがドル円相場の下支えとなっている。ユーロ円は134円手前に高止まり。ドル円と同様の状況となっている。ポンド円も前日の大幅上昇を受けて156円近辺での推移。調整売りは限定的。ユーロドルは1.21台後半での推移。米債利回りの上昇を受けて、やや上値が重い値動き。


 ロンドン市場は、前日からのドル高水準を維持している。ドル円は109.80-90レベルでの揉み合いが続いており、110円手前水準から離れない。ユーロドルは売りが先行して1.2172レベルまで下押しされたが、その後は1.2200レベルまで反発。その後はレンジ内に落ち着いた。ユーロ相場にとってはユーロ圏景況感の回復など強調材料もあったが、このあとのNY市場での一連の米経済指標やバイデン政権の予算案発表などへの期待もあって、ドル買い圧力は根強いようだ。欧州株、米株先物はともにプラス圏で推移しており、ドル円とともにクロス円も前日からの高値付近で揉み合っている。ユーロ円は133.90近辺での推移。


 NY市場でドル円は買いが加速し一時110円台を回復する場面もみられた。ただ、110円台を維持できていない。NY時間の早朝にストップを巻き込んで、一時110.20付近まで上昇。この日の4月の米PCEデフレータの発表を控えた動きと思われる。その米PCEデフレータは予想を上回り、FRBのインフレ目標を超える強さを示した。しかし、その発表を境にドルは戻り売りが優勢となり、ドル円も109円台に伸び悩んだ。材料出尽くし感も出たのかもしれない。