ロンドン為替見通し=本日は動きにくそうだが、ECBテーパリング意識した思惑的な仕掛けに注意

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています


 ロンドンタイムは、序盤に4月からの改善が予想される5月仏企業景況感・消費者信頼感指数の発表が予定されているものの、同指標によるユーロの動意は限られるだろう。ユーロの振れにつながりやすい購買担当者景気指数(PMI)の方向性を予測するための参考値としては、結果に留意しておくべきかもしれない。PMIの強弱を受け、ユーロ相場が上下する場面は多く見られる。しかし、仏PMIの結果に反応したユーロと、その後に発表となる独・ユーロ圏のPMIと方向性が異なると、仏PMIを受けたユーロの上昇や下落が巻き戻されることがある。一時的な振れにつながっても、フランスの景況感だけでは局所的な動意にとどまりやすい。単体でユーロ相場の継続的なトレンドは形成しがたい。まして参考値的な本日の企業景況感・消費者信頼感指数では、取引は盛り上がりにくいとみる。


 欧州中央銀行(ECB)当局者ビルロワ・ドガロー仏中銀総裁の講演も行われる予定。だが、昨日「第3四半期または翌四半期に債券購入額を減少させるとの仮説は憶測にすぎない」「ECBの金融政策は、ユーロ圏インフレが他地域よりも低いため、より辛抱強くなる」と、市場の前のめりなECBテーパリング(量的金融緩和の段階的な縮小)開始の思惑けん制を意識した発言後にユーロは下押ししたものの、どれほど同見解をくみ取って材料にしたかは不確か。ほどなくユーロドルはロンドン序盤の急上昇の値幅を相当程度縮小した後、同日高値圏を回復。発言後の動意が限られ、そもそも特段の材料となっていなかったとみられ、本日も反応は限られるか。


 ECBのテーパリングに関しては、次回6月10日の理事会まで少し日にちがある。ユーロ圏の行動制限緩和が始まりつつあることは、テーパリング開始の思惑を高める。しかし、ECBは現時点でもすでに資産買い入れのペースに関してかなり裁量を持っている。わざわざテーパリング開始を早々に宣言し、政策の自由度を狭める選択は得策ではない。主要国ドイツで9日に一部緩和となった行動制限のその後の進捗や、同措置の影響評価も、次回会合時点ではまだ不十分だろう。財政政策である復興基金の運用の行方もまだ定まらず、金融政策であるPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)と復興基金とのバランスに配慮した決定は時期尚早かもしれない。「四半期レビューを行う9月のテーパリング開始が現実的」(シンクタンク系エコミスト)との見方ができる。6月会合のテーパリングへの思惑が肩透かしとなり、ユーロが不安定な推移となることもありそうだ。とはいえ、ECBの裁量による資産買い入れペースの調整度合いをにらみながら、「隠れテーパリング」の観測を背景とした思惑的なユーロ買いが入る場面を挟みつつ、6月理事会へ向かうことが想定できる。