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景気後退への不安強く、ドル円は調整が続く

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 きょうも市場にはリスク回避の雰囲気が広がっており、為替市場ではドル買い以上に円買いの動きが強まっている。ドル円は先週サポートされた127.45円付近を一時下回り、127円ちょうど付近まで下落する場面も見られた。


 上海に引き続き北京でもロックダウンの措置が実施されるのではとの不安から、中国経済への懸念が強まっている。一方、FRBの積極利上げへの期待は依然として強く、5月FOMCのみならず、9月FOMCまで連続で0.50%の大幅利上げが実施されるのではとの観測も出ているようだ。市場では景気後退のシナリオが再浮上しており、米国債利回りも急速にイールドカーブのフラット化が進む中、ドル円も戻りが優勢となっている模様。


 ドル円が一旦調整モードに入るか注目されるところではあるが、21日線まではまだ遠く、フィボナッチ水準も21日線よりもさらに下にあり、調整モードに入るようであれば、その余地は大きい。


 ユーロドルは下値を切り下げる動きを加速している。きょうは1.0640ドル近辺まで下落し、2020年3月以来の安値水準をうかがう動きを見せている。また、コモディティ市場で天然ガス価格が急上昇していることもユーロを圧迫。ポーランドのガス配給会社PGNiGがロシアのガスプロムから、天然ガスの供給を明日からすべて停止すると通告を受けたと発表したこともユーロを圧迫。


 28日金曜日に4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値と、FRBがインフレ指標として参照している3月の米PCEデフレータが発表される。市場からは、それらの指標がともに高インフレへの警戒感を強める結果となった場合、ユーロドルは下落の可能性があるとの指摘が出ている。FRBがインフレ抑制のために行動を起こす一方で、ECBは依然として慎重姿勢を堅持しており、両中銀のスタンスはかなり離反しているからだという。ECBが引き締めに向けた具体的なロードマップを提示するまでは、ユーロ圏の高インフレがユーロをサポートする可能性はさほどないという。


 ポンドドルは売りが加速し、1.25ドル台まで急速に下落。2020年7月以来の安値水準。世界的な景気後退であれば、主要国の中では英国が最も影響が深刻になるとの見方もあり、ポンドは対ユーロでも下落している状況。


 一方、英インフレは強い上昇が見込まれ、英中銀は2023年までに3%まで利上げを実施する可能性があるとの指摘も出ている。英中銀は予想を上回るインフレを抑制するため、政策金利を現在の0.75%から2023年にはピークとなる3.00%まで引き上げる見通しだという。エネルギー価格高騰により、英インフレは3月の7.0%から10月には10.0%まで跳ね上がると予想。一方、家計の可処分所得は今年3.3%の減少が見込まれるものの、家計にはまだ貯蓄を使う余力があることから、個人消費の崩壊まではないという。第2四半期と第3四半期の英GDPは上昇せず、縮小の可能性も排除できないが、景気後退はぎりぎりのところで回避できるかもしれないとしている。



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