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確率的にドル円は「燻っていた上値追いへの不安な気分が一旦晴れた」との印象

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 今週のドル円は上値追いが加速し、114円台まで上げを加速させた。週前半はドル高がドル円をサポートしていたが、後半になると株式市場に買い戻しが膨らんだことから、リスク選好の円安がドル円を押し上げている。


 いまの市場のテーマは世界的なインフレだが、サプライチェーン問題や人材不足、そして、コモディティ価格の高騰が予想以上に深刻で、高インフレの状況が想定以上に長引くのではとの警戒感が高まっている。その分、景気の先行きへの期待感が高ければよいのだが、そうでもなく、エコノミストの間では成長見通しを下方修正する動きも出ている。中国経済も不透明感一杯で、中にはスタグフレーションを警戒する声もあるようだ。


 その状況下で市場は中央銀行の動きに注目している。各国とも刺激策解除に動き出しており、どこが一番最初に利上げを開始するかに注目しているようだ。現状ではトップを走っているのが英中銀、次がFRB、周回遅れになりそうだが、3位がECBといったところだ。トップ集団から、かなりの距離を置いて日銀がいる状況。


 岸田新政権は成長も分配もをスローガンに「新しい資本主義」と題した経済政策の方針を打ち出している。パンデミック対策を中心に早速、数十兆円規模の経済対策を打ち出す意向のようだ。ただ現状では、市場の反応はいまひとつの印象。選挙対策用なのか、金融所得課税の増税は急遽引っ込めたようだが、どうしても増税の匂いが漂うのだろう。臭覚に敏感な市場は素直に期待感を高めることができないのかもしれない。各国はインフレに敏感になっているが、なぜか日本はまだデフレから完全に抜け出せておらず、利上げはおろか、日銀の緩和解除は全く見通せない状況にある。


 もっとも、ドル円にとってはありがたい状況とも言える。一部からは、今後15カ月、来年末にかけてドル円は120円まで上昇する可能性も指摘され始めているようだ。


 さて、下記の確率を見ると、ドル円は上値抵抗を突破し、114円台まで上昇したことで上値期待が一気に強まっている。10月末までに115円に到達する確率は前週の6.9%から一気に57.0%まで急上昇した。11月末では、115円の到達確率は75.8%、116円でも48.6%まで上昇している。


 上値抵抗を突破し、来週は大きな心理的節目の115円を試しそうな勢いだが、今週のドル円は「燻っていた上値追いへの不安な気分が一旦晴れた」といった印象だ。


◆来週以降10月29日までに各ポイントを1度でも付ける確率

()は先週末

116円:19.9%( 1.4%)

115円:57.0%( 6.9%)

114.22円(週末終値)

111円: 1.9%(41.5%)

110円: 0.2%(13.8%)

109円: 0.0%( 3.1%)


◆来週以降11月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率

()は先週末

116円:48.6%(13.1%)

115円:75.8%(26.4%)

114.07円(週末終値)

111円:21.2%(62.3%)

110円:10.0%(37.1%)

109円: 4.0%(19.2%)


※ドル円のオプション取引から算出


【各通貨ペアのトレンド】

()は前週

◆ドル円(USD/JPY) 

中期 上げトレンド継続

短期 ↑↑↑(↑↑)


◆ユーロ円(EUR/JPY)

中期 中立継続

短期 ↑↑↑(↑)


◆ポンド円(GBP/JPY)

中期 中立から上へトレンド変化

短期 ↑↑↑(↑)


◆豪ドル円(AUD/JPY)

中期 中立から上へトレンド変化

短期 ↑↑↑(↑)


◆ユーロドル(EUR/USD)

中期 下げトレンド継続

短期 ↓↓↓(↓↓)


◆ポンドドル(GBP/USD)

中期 下げトレンド継続

短期 ↑(→)



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