―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―

きょうのNY為替市場、午後になってFOMCの結果が公表された。声明では資産購入ペース縮小が近く正当化する可能性に言及したほか、注目の利上げ開始については、FOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では22年の利上げ開始が18人中9人に増え、22年の可能性を半々で見ていることが示唆されている。前回は7人だった。ただ、概ね予想範囲内でもあったことから、為替市場はドル売りの反応が見られていた。
しかし、その後のパウエル議長の会見を受けて、今度はドル買いが強まった。議長は資産購入ペース縮小の終了は2022年半ばが適切との見解を示し、11月会合で行動する可能性も示唆していた。資産購入ペース縮小のタイムラインについては、タカ派なFOMCメンバーが主張していた22年第1四半期までの終了よりは緩やかではあるものの、10カ月かけた縮小との見方も多かったことから、11月に開始できたとして、来年の半ばの終了であれば、それよりはペースは若干早い。ちょうど真ん中を取った雰囲気だ。
ドル円はパウエル会見を受けて、今度は買いが強まり、109円台後半に上昇。今回のFOMCは予想よりは若干タカ派な印象もあった。
なお、パウエル議長は、中国恒大の問題は中国固有の性質が非常に強いとの認識を示していたが、中国恒大はきょう、23日に予定している社債の利払いを履行すると発表したことで、ひとまず市場には安心感が広がっていた。中国人民銀行が短期資金供給を増やしたことも悲観を後退させた。
23日に履行される利払いの規模は2億3200万元(約39億円)だが、恒大は23日以降、社債の利払いなどが相次ぐ。恒大集団の6月末時点の負債総額は1兆9665億元(約33兆円)の規模に上り、今回は乗り切ることができたとしても、経営破綻への不安感が完全に払拭できるかは不透明とみられている。中国共産党は3分割する再編計画をまとめつつあるとの報道も伝わっていた。複数の国有企業が再編を支援し、実質的に不動産開発企業から国有企業に生まれ変わるという。
市場は、今回の信用不安が他の中国不動産会社や金融機関に波及し、中国経済の急速な収縮に繋がってしまうのか、警戒している。今後、中国不安が高まれば、FOMCのシナリオも一変することは留意される。
ユーロドルはFOMCを受けて売りが強まり、1.16ドル台に下落。ECBが公表したデータによると、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の下での資産購入額は、9月17日までの1週間で191億ユーロと、先日のECB理事会での決定にもかかわらず、僅かな増加を示した。ECBは先日の理事会で、PEPPの下での資産購入を適度に緩やかなペースでの購入に変更すると発表した。現行は月800億ユーロだが、市場では月600億ー700億ユーロに縮小するとみられている。ただ、今回のデータから、縮小開始は第4四半期で、月700億ユーロ程度の購入を模索するのではとの見方もあるようだ。
ポンドドルも1.36ドル台前半に下落。一部からは、最近のポンド下落は英中銀が楽観的見方を後退させるリスクを反映している可能性があるとの見方が出ている。直近の対ドル、ユーロでのポンド安と、資源国通貨など他の景気に敏感な通貨と比較したポンドのパフォーマンスの低さは、英中銀が明日の金融政策委員会(MPC)で楽観的なトーンを堅持するという見方に、市場が自信を無くしていることを示唆しているという。ただ、本日のポンドドルは1カ月ぶりの安値となる1.3620ドル付近まで一時下落していたが、本日のFOMCが慎重姿勢を強調した内容と市場が受け止めれば、ドル安により1.37ドルちょうど付近までは回復する可能性もあるという。
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