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確率は下値期待強める ドル高への期待一辺倒が揺らぎ始めた印象

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 今週のドル円は週前半は前週の米雇用統計を受けたドル買いの流れが継続し、ドル円も一時110.80円近辺と111円台をうかがう動きもみられたが、週後半になると109円台に失速している。週央に発表になった7月の米消費者物価指数(CPI)が、予想通りではあったものの、前月から伸びが鈍化したことでドル買いが一服し、ドル円も伸び悩んだ。週末のミシガン大消費者信頼感指数が衝撃的に弱い内容となったことでドル売りが加速した格好。


 下記のドル円の確率を見ると、市場は週末に下値期待を一気に強めている。先週は「リバウンド相場への期待はあるものの、下値警戒感も根強い」との印象を示したが、その雰囲気をさらに強めた印象だ。


 109円と112円に着目すると、8月末までに109円に到達する確率は前週の40.6%から61.7%に上昇した一方、112円の確率は前週の23.9%から3.9%まで急低下している。9月末までを見ても同様の動き。


 市場では、FRBの資産購入ペース縮小開始への期待が高まっており、FOMCメンバーである一部の米地区連銀総裁からは、早ければ9月FOMCでの縮小開始の可能性も示されている。その意味では8月26ー28日のジャクソンホールでのFRBの年次総会が注目となる。もし、FRBが今後、資産購入ペース縮小の計画を発表した場合、素直な反応であれば、ドル高が予想されるが、それは長続きしないとの見方も徐々に増えているようだ。


 この背景を考察してみると、1、シナリオ通りにFRBが出口戦略に舵を切ったとしても、今年の第4四半期以降のインフレ鈍化も想定され、その分、利上げ開始までのハードルは高くなり、資産購入ペース縮小はかなり緩やかな実施に留まる。そして何と言っても、2、デルタ株の感染再拡大の経済や社会への影響が想定以上のリスク等が、投資家の先行きへの信頼感を圧迫するとの見方などが挙げられる。


 一部の公的機関や航空会社などでは、職員や顧客にワクチン接種を義務付ける動きが出ている。航空会社ではその影響もあり、チケット予約を見送る動きやキャンセルの動きが出ているという。経済にとっては決してプラスにはならない。市場もその辺の影響がどの程度波及するのか、そして、FRBの行動にどの程度影響するのか、推し量っているところなのかもしれない。


 今週は「ドル高への一辺倒の期待が揺らぎ始めた」との印象だ。


◆来週以降8月31日までに各ポイントを1度でも付ける確率

()は先週末

114円: 0.0%( 1.3%)

113円: 0.4%( 6.6%)

112円: 3.9%(23.9%)

109.59円(週末終値)

109円:61.7%(40.6%)

108円:17.3%(13.1%)

107円: 2.5%( 2.8%)


◆来週以降9月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率

()は先週末

114円: 3.8%(11.6%)

113円:10.6%(24.5%)

112円:24.9%(45.6%)

109.59円(週末終値)

109円:78.5%(60.6%)

108円:45.6%(34.9%)

107円:22.1%(17.2%)


※ドル円のオプション取引から算出



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