米国のテーパリング期待が強まる中でパウエル議長議会証言などに注目

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 15日、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で公表されたFOMCメンバーによる経済見通し(SEP)では、今年の経済成長見通し、物価見通しが大幅に上方修正されました。また、それに加えて、各年末時点での政策金利水準見通しをドットで示したドットプロットにおいて、前回までの2023年末まで金利据え置き見通しから、2023年末までに2回の利上げを実施見通しに中央値が上方修正され、一気のドル買いを誘いました。


 前回3月のSEP発表から、物価上昇などが著しかったこともあり、今回のドットプロットで利上げ見通しが多数派になるところまでは予想されていました。ただ、二回の利上げが中央値となるのは予想を超えた動きであり、サプライズを伴うドル買いにつながりました。


 2022年中の利上げ見通しについても、3月時点での4名から7名に増えており、今後の物価動向など次第で多数派になる可能性が十分にある状況に。また、この7名に関してはセントルイス連銀のブラード総裁がそのうちの一人であることを明かし、市場のサプライズを誘いました。同総裁は2019年9月のFOMCで0.25%の利下げを実施した際に、メンバーのうち2名が据え置きを主張するなど、やや微妙な状況にもかかわらず、一気に0.5%の利下げを実施するべきと主張するなど、超ハト派という印象が強かっただけに、来年中の利上げを主張してきたことは驚きでした。


 パウエル議長はFOMC後の会見において、「ドットプロットは割り引いてみるべき」と、ドットプロットを受けての市場の過度な期待をけん制。物価上昇についても従来の一時的なものであるという認識を継続し、先行きに対する慎重な姿勢と緩和維持を示しました。


 ただ、前回ですらインフレターゲットの水準である2.0%を超えていた今年の物価見通しが、PCEデフレータで3.4%、同コアデフレータで3.0%まで引き上げられており、一時的という見通しに反発する動きもあり、ブラード総裁の2022年中の利上げ見通しなどにつながったとみられます。


 こうした状況の中で22日(日本時間23日午前3時)にパウエル議長が下院特別小委員会において議会証言を行います。通常FRB議長が議会に行く機会はハンフリー・ホーキンズ法に基づいた半期に一度の議会証言しかありませんが、パンデミックによる緊急対応を実施する際に、こうした議会証言が義務付けられ、状況の説明を行うこととなりました。


 議会証言という場で、パウエル議長がどこまで慎重姿勢を強く見せるのか。物価動向に対する質問などが出てくることがほぼ確実となる中、一時的という認識にどこまで説得力を持たせることが出来るのかなどが注目されるところです。


 FOMCの後の会見でパウエル議長はバランスシートの調整(要は量的緩和の縮小)を開始する前には情報を与える姿勢を示しており、市場では8月26日から28日にかけて行われるジャクソンホール会議でのテーパリング開始示唆の期待が広がっています。こうした期待が変化するような内容になると、ドル相場への影響も大きなものとなります。