【来週の注目材料】前回はかなりの高水準を記録し、米テーパリング期待に~米消費者物価指数

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 10日に発表される5月の米消費者物価指数(CPI)が注目されています。


 前回4月分の米CPIは前年比+4.2%と予想の3.6%を大きく超える驚きの高水準となりました。変動の激しいエネルギーと食料品を除いたコア部分でも2.3%予想に対して3.0%となっており、高水準を記録。米国のインフレターゲットの対象はCPIではなくPCEデフレータのため、単純な比較はできませんが、ターゲット水準として意識されている2.0%を大きく超える状況となっています。


 パンデミックの影響で比較対象元である2020年4月の物価が低下したことによる、いわゆるベース効果もありますが、それにしても高い水準といえます。


 内訳を見ると、中古車が21.0%、自動車保険が6.1%、航空運賃が9.6%など、行動制限緩和を受けて活発化した移動に絡んだ価格上昇が目立ちます。


 こうした状況が5月にどこまで継続しているのかが注目されるところ。予想は前年比+4.2%、コア前年比が+3.0%。


 NY原油の上昇もあり、エネルギー価格の上昇傾向が継続。EIA(米エネルギー情報局)による全米全種平均のガソリン価格は前月から4.3%の上昇となっており、全体を押し上げるとみられます。


 前回は上がりすぎた面もあり、伸び自体は少し抑えられるとみられますが、相当に高水準です。パンデミックの影響で昨年4月は前月比-0.8%と大きな物価低下を見せていましたが、5月も物価低下傾向が続いており-0.4%となりました。こうした比較対象元の物価低下によるベース効果が物価の高止まりに寄与しそうです。


 米FRBは直近の物価上昇について一時的なものという認識を崩していません。そのため予想前後の高い水準が示されたとしても、すぐに金融政策の変更につながるという可能性は低く、今月15日、16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での現状維持見通しなどに変化はないと思われます。


ただ、市場の早期テーパリング開始期待については、ある程度押し上げられるとみられます。また、今回のFOMCで示されるSEP(Summary of Economic Projections)において、物価見通しの引き上げが期待されるほか、各メンバーによる年末時点での政策金利見通し、いわゆるドットプロットにおいて現状18名中7名となっている2023年末までの利上げを見込むメンバーが増え、利上げ見通しが大勢となる可能性も。この場合は大きなドル買いにつながるだけに、期待感からFOMCまでの間にドル買いの動きが強まる可能性があります。